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「なぎなたの連続動作における上肢の動作分析」-若手選手並びに指導者としての視点から-

 なぎなたは、歴史の特性により女子の多い団体であり、学識専門研究科の存在は希少である。ただ、インターハイ、大学選手権、国体などの競技が長年に開催されているため、幼少からなぎなたに親しむ女子が増えてきている。これらの現状を鑑みて、体育の教師となり現場指導に取り組む大学卒業生のなぎなた研究に関する卒論を学習会に取り上げた。

卒論指導はバイメカニクス研究者藤原素子博士であり、学習会も助言者として参加して頂き、貴重なご意見と今後の課題となる示唆を頂いた。

発表者  氏家京香(奈良女子大学卒業、香川県立坂出高等学校講師)


【目的】  これまでのなぎなたの動作に関する研究では、単一の動作を取り上げているものが多く、連続打突動作について検討されたものがない。またなぎなた競技では、長いなぎなたをさばくために左右の手を入れ替えるなどの複雑な動きを、素早くかつ正確に操作することが求められるが、なぎなたを操作する上肢の動きについて検討されたものもみられない。そこで本研究では、踏み込み面打ちから持ち替えすね打ちの連続打突について、上肢の動作に着目し、素早くかつ正確に行うためのスキルについて明らかにすることを目的とした。具体的には、上肢となぎなたの動作分析から熟練者と初級者の比較検討を行い、指導技術に役立つような知見を提示した。

【まとめ】 なぎなたの連続打突を素早く遂行するための上肢の動作には、振り上げや八相の構えにおける持ち替え動作局面のなぎなたさばきが大きく影響していると考えられる。振り上げ時においては、てこの原理を利用し、効率よくなぎなたを振り上げることに加え、打突対象に対し切先の引きを大きくし、遠い位置から打突に向かい、速度を大きくすることで、勢いのある打突を行うことができるといえる。また、1回目の打突から八相区間の持ち替え動作においては、体の方向転換に合わせながら左肘関節を伸展させたまま、手の移動を行うことで素早く持ち替え動作が完了するといえる。以上のことから、熟練者はなぎなたの特性を理解し、小さな力でなぎなたを扱うための肘関節の効率的な動きや、反復練習を積み上げた上での動作の簡略化がなされているといえる。なぎなたの稽古において、指導者の感覚に頼る指導が大半を占めているのが現状である。指導場面においては、学習者の一連の動作を把握した上で、指導者の積み重ねてきた経験と共に、実験で得られたデータも参考にしながら、なぎなたの特性を捉えさせ、動作を素早くかつ正確に遂行するための方略を伝えていく必要がある。



 

平成30年9月1日近畿大学経営学部20号館一階A教室において、下記要領でなぎなた専門分科会の平成30年度総会並びに学習会を開催した。参加者は会員8名一般1名学生5名である。

1)総会  平成29年度事業報告、決算報告が承認された。

     平成30年度事業計画、予算計画が承認された。

2)学習会 上記は、発表の一部を紹介。詳細を希望の方はお知らせください。

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